歯科衛生士になるには
歯科衛生士のお仕事、役割って?
歯科衛生士は、近年ますます注目されています。一般的には歯科医師のサポート役になりますが、実際にはその影響力は口腔ケアにとどまらず全身の健康にも直結しています。
口腔内は、全身の健康状態を反映する鏡とも言えます。口腔内の問題が全身に悪影響を及ぼす可能性があります。ですので歯科衛生士の役割が重要になるのです。歯科衛生士は、口腔内の健康状態を維持し、それが全身の健康にどのように影響するかについての専門的な知識とスキルを持っています。
現代社会では、高齢化が進み、生活習慣病が増加しています。これらの健康問題に対する予防策として、歯科衛生士が果たす役割は非常に大きいです。
さらに、コロナウイルスの影響で、自宅でのケアが重要になっています。歯科衛生士は、オンラインを使った教育やカウンセリングも行い、より広い範囲での口腔ケアをサポートしています。
また、口腔ケアはメンタルヘルスにも影響を与えます。口腔内が清潔であることで、自信がつき、ストレスが減少する可能性があります。
総じて、歯科衛生士は、単に口腔内のクリーニングをする専門家ではなく、全身の健康と密接に関わる多面的な専門家です。その重要性は、今後さらに高まるでしょう。
歯科衛生士の主なお仕事 (三大業務)
歯科予防処置
歯科衛生士の主な仕事の1つである歯科予防処置は、口腔内の問題からくる健康リスクを大幅に減らす可能性があります。主に虫歯や歯周病の発生を防ぐ目的で行われますが、その範囲はそれだけに限らず、口臭や歯石、口内炎にも対応します。具体的には、フッ素塗布でエナメル質を強化したり、シーラント施術で虫歯の発生を抑制します。これらはいずれも、早期発見・早期治療のための重要なステップです。
テクノロジーの進化により、歯科予防処置は進化しています。AI技術やウェアラブルデバイスが使われ、より個々の患者さんに合わせた精密な診断や治療が可能になっています。これにより、患者さん一人ひとりに最適な予防処置を提供することができるようになっています。 歯科衛生士が担当する歯科予防処置は、口腔内から始まる多くの健康問題を防ぐために不可欠なものであり、その技術と範囲は日々進化しています。そのため、歯科衛生士の専門性とそれによる歯科予防処置の進化は、私達の全身の健康にとっても非常に重要な要素となっています。
歯科診療補助
歯科衛生士の仕事の一つに「歯科診療補助」がありますが、この業務は非常に重要です。診療補助は、歯科医師が施術を行う際に、そのサポートをすることで診療がスムーズに行われるようにする役割があります。具体的には、器具の準備、患者さんへの口腔内ケアの指導、状態のモニタリング、記録の取りまとめなどが主な内容になります。
診療補助業務が優れていると歯科医師はより高度な治療に専念することができ、患者さんも快適な診療を受けることができます。また、歯科衛生士が患者さんと密接に接するこのポジションは、患者さんの不安を和らげるためのコミュニケーションも必要です。そのため、優れた人間力も求められる職種であり、単に技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力も非常に重要です。 加えて、診療補助の過程で歯科衛生士が気付いた口腔内の問題点を歯科医師に報告することで、診療の質も高まります。これが早期発見・早期治療につながる場合も多く、全体としての医療品質の向上につながります。 全体として、歯科衛生士による診療補助は、歯科医療の品質を高めるために不可欠なものであり、技術、コミュニケーション、そして専門知識の三方面からその価値が評価されています。
歯科保健指導
歯科衛生士が果たす役割の中で、歯科保健指導は非常に重要です。患者さんへの口腔ケアの指導を主な内容とし、その効果は長期にわたる口腔健康に直結します。歯科衛生士は、正確なブラッシングやフロッシングの方法、効果的な歯間ブラシの使用法、適切な口腔ケア製品の選び方など、多岐にわたる指導を行います。
患者さんがこれらの指導をしっかりと実践することで、虫歯や歯周病、口臭などのリスクが低減します。さらに、歯科衛生士が提供するアドバイスは、患者さんが自分自身で口腔ケアを効果的に行えるようになるため、総合的な健康状態にも寄与する可能性があります。 歯科保健指導では、食生活に関する情報もしばしば取り入れられます。砂糖の多い食品や飲料、酸性のものは口腔健康に悪影響を与えるため、そのような食生活の修正も歯科衛生士によって推奨されます。また、禁煙やアルコール摂取の減少など、生活習慣全体の改善にも触れられることが多いです。 最新の研究やデータに基づいてアドバイスが行われるため、信頼性の高い情報を得られます。これは特に、インターネット上で出回る誤情報や半分くらいの真実に惑わされるリスクを軽減する点で価値があります。 歯科保健指導は、単に口腔内の問題に対する一時的な対応ではなく、患者さんの生活習慣そのものを見直し、長期的な健康を目指すものです。そのため、歯科衛生士による歯科保健指導は、患者さんだけでなくその家族やコミュニティ全体の健康にも広く影響を与える可能性があります。
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歯科衛生士になるには
現在は、従来の治療をメインとした医療から、予防処置や保健指導を重視する医療に変わってきており、歯科衛生士のニーズはますます高まってきています。
歯科助手(歯科アシスタント)と違って、歯科衛生士になるには厚生労働省指定の歯科衛生士養成機関で専門教育を受け、国家試験に合格しなければなりません。平成13年からは、国家資格となり、業務分野も拡大し社会的な地位向上が図られました。
そして平成16年には、歯科衛生士の資質向上のため歯科衛生士学校養成所指定規則の一部を改定する省令が公布されました。
この省令により教育内容が改定されるとともに修業年限が最短3年以上に延長されました。
本校では歯科衛生士学科午前部と夜間部があり、高校卒業後すぐ入学される方から、大学生、社会人、主婦の方まで幅広い世代の方が歯科衛生士をめざしています。
歯科衛生士をめざすなら
歯科衛生士国家試験の概要
歯科衛生士は厚生労働大臣が認定する国家資格で歯科衛生士法(昭和23年法律第204号)第11条の規定により、歯科衛生士国家試験に合格した者が指定機関に申請を行うことで免許書が交付されます。 なお、試験の実施に関する事務は、法第12条の4第1項の規定により指定試験機関として指定された一般財団法人歯科医療振興財団により以下の概要で実施されます。
根拠法令 | 歯科衛生士法(昭和23年法律第204号)第11条 |
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試験内容 | 筆記試験 (解答はマークシートによる選択式の出題のみ。面接や小論文、技術試験などは一切ありません。) |
合格基準 | 1問1点の220点満点で、6割以上の正解で合格 |
試験の時期 試験の開催地 |
年1回開催(毎年3月初旬の日曜日) 全国10会場 (北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県) |
出題範囲 |
試験科目は、「人体の構造と機能」や「歯・口腔の構造と機能」、「歯科衛生士概論」、「歯科予防処置論」など
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出題数 /試験時間 |
出題数:220問/試験時間:午前と午後で合計300分 |
全国平均 合格率 |
過去5年間の合格率は平成30年が96.1%、平成31年が96.2%、令和2年が94.3%、令和3年が93.3%、 そして令和4年が95.6%と推移しています。 令和4年(令和4年3月6日実施)の第31回歯科衛生士国家試験は、受験者7,416名に対して合格者7,087名でした。 |
受験資格 |
歯科衛生士国家試験を受験するには、下記のいずれかの要件を満たしている必要があります。
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受験資格
歯科衛生士国家試験を受験するには、歯科衛生士養成施設において指定の学校のカリキュラムを履修し、受験資格をえことが必要となります。歯科衛生士養成施設とは、主に歯科衛生士の専門学校や短期大学、大学で厚生労働大臣の指定を受けた教育機関のことで、それらの学校で必要なカリキュラムを修めて、卒業することで受験資格が得られます。国家試験自体は学校を卒業(卒業見込み含む)していれば、年齢や性別の制限はありません。
試験内容
解答はマークシートによる選択式の出題のみで、面接や小論文、技術試験などはありません。試験科目は、「人体の構造と機能」や「歯・口腔の構造と機能」、「歯科衛生士概論」、「歯科予防処置論」など9科目あり、実際に働くために必要な知識が220問にわたり幅広く出題されます。なお、合格基準は6割以上の成果が必要となります。
合格率や難易度
歯科衛生士国家試験の合格率は毎年90%以上あり、合格率は高いといえます。しかし、合格率は毎年90%を超えていますが、難易度が低いというわけではありません。専門学校などでは、必要なカリキュラムや知識を習得した上で国家試験直前まで試験対策が行われることで高い合格率につながっています。逆に、国家試験にむけて、諦めずコツコツとしっかり勉強さえすれば、9割以上が試験に合格できるといえます。
試験対策
試験対策において有効な勉強方法としては、過去問題を解いてみることです。過去問を解くことにより、出題の傾向や苦手な問題もわかってきますのでおすすめといえます。また、近年ではより効率的に勉強をするためのツールとして人気なのが国家試験対策のアプリです。スマートフォンなどから手軽に見られ、すきま時間に勉強できます。間違えた問題だけを何度も繰り返し解け、問題の正解率などがわかるので、情事に活用することが合格への近道となります。
日本医歯薬専門学校 歯科衛生士国家試験合格実績
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97.8%
(134名中131名合格
/2023年度午前部・夜間部実績)
歯科衛生士の就職先
歯科衛生士は幅広く活躍できる就職先があります。歯科診療所をはじめ、総合病院・大学病院(予防歯科、小児歯科、保存科、矯正科、口腔外科など)、保健所、医療関連企業などさまざまですが、歯科診療所へ就職される方が多いです。
また、体の不自由なお年寄りを訪ねて口腔内清掃やブラッシング指導といった口腔ケアを行う歯科衛生士もいます。 このように歯の健康を守る「歯科衛生士」は今日の社会になくてはならない存在になっています。
勤務体系
5日/週、休日曜日は勤務先によってさまざまですが、最近は土日に診療をおこなう歯科医院が増えてきました。最近では週休3日制の歯科医院もあります。
収入・お給料について
平均月収は25万1100円 推定平均年収は342万5900円(2017年厚生労働省調べ)となっていますが、新卒者と経験者では幅があり年収290万~440万程度です。
歯科衛生士として実際に働いている方の声
歯科衛生士の仕事は歯科医師の診療の補助はもちろん、歯石除去やホワイトニングからお子様や高齢者への歯磨き指導などの口腔ケアに至るまで、患者様のお口の健康を守るプロフェッショナルです。 仕事では歯科衛生士以外にも、歯科医師や歯科技工士など関わるスタッフの人数が多いので、他の部署との連携を大切にしています。「あなたに言われたとおりにしたら、お口の中の状態がとてもよくなったよ。ありがとう。」と患者さんに笑顔で言われたときは、とても嬉しいです。また、歯科衛生士は頑張った分だけ結果が見える仕事。先生や先輩に自分の仕事を評価していただけることも、やりがいにつながっています。歯科衛生士は看護師のように夜勤などの変則勤務もないので、とても働きやすく結婚・出産を経てもずっと続けられるのも魅力です。さらにスキルと知識を磨き、これからもずっと歯科衛生士として働きたいです。
(歯科衛生士学科 卒業生 Sさん)