歯科アシスタントの仕事内容や資格・給与
近年、注目されている職業の一つに「歯科アシスタント 」があります。
いわゆる歯科助手であり、現場で歯科医師や歯科衛生士をサポートしつつ、医療事務やカウンセリングまで幅広い役割を担っていくお仕事です。
歯科アシスタント を目指すには、歯科アシスタント学科のある専門学校で必要な知識や技術を学ぶ必要がありますが、学校によってはカウンセリング能力など“プラスアルファ”のスキルを身につけることができたり、さまざまな資格取得を目指せるなどのメリットを受けることができます。
目次
歯科アシスタントとは
歯科アシスタントとは、歯科クリニックで歯科医師や歯科衛生士の業務がスムーズに進むようサポートを担う職種です。
歯科医師や歯科衛生士とは異なり、直接的な医療行為を行うことはありません。しかし、患者さんの来院から診療終了まで幅広く関わるため、歯科クリニックの「顔」としての役割を担う欠かせない存在です。
歯科アシスタント の仕事内容って?
歯科アシスタント は、歯科クリニックでドクターや歯科衛生士の診療補助を行うのと同時に、受付や会計、カルテ管理、レセプト業務などの医療事務も合わせて担当し、歯科医療の現場を支えていく大切なお仕事です。
今日の歯科クリニックでは、これまで以上に患者様とのコミュニケーションを大切に考えており、ご来院から診療補助、診療後の会計や予約まで患者様と接する機会の多い歯科アシスタントの重要性は、以前にも増して重要なものとなっています。
歯科アシスタントの給与・年収
ここでは、歯科アシスタントの目安となる給与水準をご紹介します。
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査(その他の保健医療サービス職業従事者)」のデータに基づいています。
【正社員として勤務する場合】
歯科アシスタントの給与は、経験年数・勤務先の規模・雇用形態などによって変わりますが、平均値は以下のとおりです。
- 平均月収:239,100円(各種手当を含む)
- 平均賞与:360,000円
- 平均年収:3,229,200円
ただし20〜24歳で、就業経験0年の場合の初任給は約20万円前後です。新卒や経験が浅い場合、平均月収は上記よりも低く設定されているといえます。
【パート・アルバイトの場合】
結婚や出産を経て、アルバイトやパートとして歯科アシスタントの仕事を続けている方も多く見られます。パート・アルバイトの場合の平均時給は以下のとおりです。
- 平均時給:1,281円
地域やクリニックによって時給には差がありますが、経験やスキルによっては時給が上がることもあります。
歯科アシスタントになるには
歯科アシスタントになるために、特別な国家資格や免許は必要ありません。歯科クリニックの求人に応募して採用されれば、未経験からでも働き始めることが可能です。そのため、医療系の仕事に興味がある方などにとっては、比較的挑戦しやすい職種といえるでしょう。
とはいえ、実際の現場では歯科用語を理解したり器具を取り扱ったりしなければならず、保険制度に関する知識やレセプト(診療報酬請求)など、専門性の高い業務も数多くあります。未経験のまま現場に入ると、業務の多さや専門性の高さに戸惑ってしまうことが多いです。
そのため歯科アシスタント学科のある専門学校で、基礎から実践的な知識・スキルをしっかり身につけておくことをおすすめします。専門学校で学ぶ大切さについて、次項でより詳しく見ていきましょう。
歯科アシスタント学科で学ぶことが大切な理由
歯科アシスタントは、「診療補助」および「医療事務」といった専門知識が求められる仕事です。
「診療補助」には歯科医師、歯科衛生士のアシスタント業務、歯科機器、機材の準備、歯科材料の在庫管理・発注など、幅広い仕事があり、「医療事務」も同様に受付、会計、カルテ管理、オペレーター業務、レセプト業務など幅広い仕事があります。これらはいずれも高度な専門知識が必要とされることから、歯科アシスタント学科のカリキュラムを通じて、正しい知識・技術を身につけることが大切なのです。
歯科アシスタントに必要な資格はある?
歯科アシスタントとして働くために必須の資格はありませんが、以下のような関連資格を取得しておくことで、スキルの証明や就職の際のアピールポイントになります。歯科医師や歯科衛生士が安心して業務を任せられる歯科アシスタントを目指すためにも、必要な知識を身につけ、民間資格の取得を目指してみるのもおすすめです。
歯科アシスタント検定
歯科アシスタント検定は、全国医療技能検定協議会が実施している資格です。合格することで、歯科アシスタントとして求められる基本的な知識や、診療の補助業務に必要なスキルを身につけていることが証明されます。
なお、検定には1〜3級があります。
- 3級:歯科医療の基本的な知識があり、簡単な診療方法を理解している
- 2級:歯科医療に関する幅広い知識があり、応用的な診療方法も身につけている
- 1級:歯科医療について深い理解があり、診療体制に対して正確かつ迅速に対応できる
TCトリートメントコーディネーター
TCトリートメントコーディネーターは、日本歯科TC協会が実施する、歯科クリニックでの「患者対応」や「最新治療の知識」「医院経営」に関するスキルを学べる講習・認定制度です。
6つのC「communication(コミュニケーション)・coaching(コーチング)・cure(治療)・care(予防)・cooperation(チーム医療)・commitment(経営参画)」をテーマに、6科目の講習と認定試験を実施していることが特徴です。またアクティビティリーダーからマスターまで4段階のクラスがあり、段階的に上位クラスを目指せます。
歯科助手(JADP認定)
歯科助手(JADP認定)は、日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。歯科助手として必要な基礎知識や実務スキルを習得していることを証明できます。
取得を通して、以下のような業務に対応できる力が身につきます。
- 歯科医院での受付・事務対応
- カルテの作成・管理
- 治療器具の準備・洗浄・消毒
- 患者さんの誘導や介助
- 石膏などの材料の練和
- 治療中の歯科医師のサポート業務
JADP認定のカリキュラムをすべて修了し、1年以内に認定試験に合格することで、資格を取得できます。
歯並びコーディネーター
歯並びコーディネーターは、「日本成人矯正歯科学会」が認定している「学会認定制度」です。患者さんや一般の方に対して、歯科矯正について正しい知識を伝え、身近な相談相手としてアドバイスできる人材育成が目的です。
歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士に限らず、特別な資格がなくても、意欲のある歯科助手や受付スタッフなど、歯科医療に携わるすべての方が対象です。
所定の研修を受講した後、当日に実施される審査に合格し、認定登録されると「認定証」と「認定バッジ」が授与されます。
歯科アシスタントを目指すなら歯科衛生士もおすすめ
歯科アシスタントを目指して専門学校で学ぶのであれば、将来のキャリアアップを見据えて「歯科衛生士」を目指すこともおすすめです。
歯科衛生士は国家資格が必要な専門職であり、むし歯や歯周病を予防する「歯科予防処置」や生活習慣改善をサポートする「歯科保健指導」、歯科医師の指示のもと行う「歯科診療補助」などを行います。歯科アシスタントに比べて仕事内容の幅が広く、給与面や将来性の面でも有利といえます。
「歯科業界で長く安定して働きたい」「より専門性の高い仕事に携わりたい」という方は、歯科衛生士という選択肢も考えてみましょう。実際に、歯科アシスタントとして働いた後に、キャリアチェンジとして歯科衛生士の資格取得を目指す人も多くいます。
歯科に関する勉強は「日本医歯薬専門学校」
歯科アシスタントは、患者対応から歯科医師や歯科衛生士のサポート、医療事務に至るまで、歯科医療の現場を支える重要な職種です。資格などは必要ないため、未経験からでも目指せます。
ただし現場で活躍するには、専門的な知識と実践的なスキルが求められるため、基礎から応用までをしっかりと身につけられる学習環境が必要です。またせっかく学ぶなら、より幅広く活躍でき、将来的なキャリア形成を図れる歯科衛生士を目指してみるのもおすすめです。
日本医歯薬専門学校は、歯科衛生士を目指せる学科を用意しています。自分の好みや将来の目標に合わせ、キレイを学べる「審美コース」や、幅広く学べる「総合コース」を選択できるほか、午前部・夜間部の2部制のため自分のライフスタイルに合わせた学び方ができるのも大きな魅力です。
歯科クリニックでの仕事に興味がある方はもちろん、将来的に歯科衛生士を目指したい方は、日本医歯薬専門学校の歯科衛生士学科を検討してみてはいかがでしょうか。ぜひオープンキャンパスで、歯科衛生士学科の授業を体験してみてください!