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社会福祉士って病院でも働けるの?医療ソーシャルワーカーの仕事とは?

 

社会福祉士は、高齢者分野や障がい者分野、児童分野、公的機関、教育分野など幅広い福祉分野で求人ニーズのある国家資格です。
そんな社会福祉士ですが、実はこれらの分野だけではなく、実は病院をはじめとした医療分野においてもその存在が求められています。
医療機関で社会福祉士の資格を有して働く人は「医療ソーシャルワーカー」と呼ばれ、患者さんやそのご家族を支える上でとても重要な役割を担っています。
今回は、そんな医療ソーシャルワーカーの仕事内容ややりがいなどについて解説を行い、その魅力に迫っていくことにしましょう。

 

1)医療ソーシャルワーカーとは?

2)医療ソーシャルワーカーの必須資格?社会福祉士とは

3)社会福祉士が必要とされるフィールド

4)医療ソーシャルワーカーの仕事とは

5)医療ソーシャルワーカーになるには

 

医療ソーシャルワーカーとは?

医療ソーシャルワーカーとは、保険医療機関において患者さんやそのご家族が抱える悩みや問題を浮き彫りにし、問題の解決を図るために医療機関や関係機関との連携・調整を図り、安心して療養に専念できるようサポートを行う役割を担う仕事です。

 

この医療ソーシャルワーカーは社会福祉士または 精神保健福祉士の国家資格を有する人材が担う場合が多く、医療機関をはじめとした施設で重要な役割を担っています。
実際は資格を有していなくとも医療ソーシャルワーカーと同等の業務に携わることは可能とされていますが、各保健医療機関に就職する際の応募条件を見てみると「『社会福祉士』または『精神保健福祉士』国家資格を有すること」を必須条件としているケースが多く、就活を行う上ではこれらの資格を取得した人材が有利な状況にあります。

 

よって医療ソーシャルワーカーを目指すには「社会福祉士」などの資格を取得することが重要であり、就職における第一歩となります。ということで、本格的に医療ソーシャルワーカーの説明を行う前に、まずはそんな社会福祉士資格について簡単な説明を行っておくことにします。

 

医療ソーシャルワーカーの必須資格? 社会福祉士とは

社会福祉士は、病気や身体的・精神的・経済的にハンディキャップがあり、日常生活を送るのが困難な人々からの相談を受け、日常生活をスムーズに送れるように支援を行う役割の仕事です。

 

他国に類を見ないスピードで社会の高齢化が進み、高齢者福祉の重要性が高まるとともに、現代社会特有の環境に起因した発達障がいや精神障がいを持つ人の増加、子育て家庭をめぐる社会環境の変化による課題の複雑化、そして疾病予防や介護予防のために医療と福祉の連携の重要性の高まりなどを主な要因に、いま、さまざまな福祉分野で社会福祉士の資格を持つ人材へのニーズが大きく高まっています。

 

そんな社会福祉士の資格をもって福祉や医療の現場で働く人を「ソーシャルワーカー」と呼ぶことがあります。
ソーシャルワーカーは施設によって「生活相談員」とも呼ばれますが、両者は基本的には同じであり、一般的には高齢者施設や障がい者施設で働く場合は「生活相談員」と呼ばれることが多い傾向にあります。逆に医療分野では「医療ソーシャルワーカー」、児童分野では「保険児童ソーシャルワーカー」と名称が変わります。これだけを見ても、社会福祉士という国家資格がいかに幅広いフィールドで活かせるものなのかがお分かりになると思います。

 

そんな社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく国家資格であり、同法第2条第1項では、社会福祉士を以下のように定義しています。

 

「社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整、その他の援助を行うことを業とする者をいう」

 

とあり、高齢者の介護・福祉はもちろん、障がい者福祉、児童福祉、生活保護施設はじめ、多岐にわたる福祉分野で必要とされる人材になるための国家資格であることが分かります。

 

 

社会福祉士が必要とされるフィールド

社会福祉士が必要とされるフィールドは実に幅広いものがあります。

一例を挙げれば、「医療分野」「児童分野」「教育分野」「教育機関」「高齢者分野」「障がい者分野」と幅広い分野で社会福祉士の資格を有する人材が必要とされています。

 

 

そんな社会福祉士は、先にも少し述べたように働く職場によって以下のように呼び方が変わります。

●医療分野(医療ソーシャルワーカー)
●児童分野(児童指導員)
●公的機関(生活相談員)
●教育分野(スクールソーシャルワーカー)
●高齢者分野(生活相談員)
●障害者分野(生活支援員)
●教育分野(大学・高等学校・中学校など)
●人材関連企業(転職相談)
●公的機関(ハローワークなど)
●一般企業(研修・カウンセリング)

 

これだけ見ても、社会福祉士の資格を取得すること、でいかに仕事の選択肢が大きく広がるかがお分かりになることと思います。
さらにここに挙げたのはあくまでも「分野」であり、実際にはその分野の中にさまざまな種類の福祉施設(高齢者分野なら特別養護老人ホーム、ショートステイ施設など)が存在し、それらすべてが社会福祉士が働くフィールドとなえり得るので、活躍する場は非常に大きく広がっていると言えます。

 

実は医療分野でも社会福祉士が求められている

 

そんな社会福祉士についての基本的な役割を理解したところで、次は今回の本題である医療ソーシャルワーカーへと話を移すことにしましょう。

 

社会福祉士の資格を有する人材は、先にも少し述べたように、実は医療分野でも大きなニーズがあります。

 

医療機関で働く社会福祉士は、「医療ソーシャルワーカー」(Medical Social Worker:MSW)と呼ばれ、病院やクリニック、リハビリ施設をはじめとした保険医療機関にて、患者さんやそのご家族が安心して療養に専念できるよう、心理面や社会的問題の相談に対応したり、問題の解決に必要な援助を図っていくほか、退院に向けて地域システムや保健医療機関、介護施設などといった関係機関との調整なども行い、患者さんとそのご家族を支える役割を担っています。

 

たとえば病気や怪我などで入院が必要になった場合、人によっては「収入がなく治療費が払えない」「職場に復帰できない」といった患者さん本人やそのご家族だけでは解決できない問題に直面する場合があります。こうした場合に患者さんが安心して適切な治療を受られるようにするのと同時に、ケースに応じて社会復帰ができるように支援していくのが医療ソーシャルワーカーの仕事なのです。

 

医療ソーシャルワーカーの仕事とは?

先ほど、医療ソーシャルワーカーとしての大まかな仕事内容を説明しましたが、より医療ソーシャルワーカーという仕事に対するイメージを鮮明に持っていただくため、ここでは、もっと具体的な仕事内容を説明することにしましょう。

 

医療ソーシャルワーカーの役割について詳しく規定された厚生労働省の「医療ソーシャルワーカー業務指針」によれば、以下の6つが医療ソーシャルワーカーの業務内容として挙げられています。

 

①療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
入院、入院外を問わず、生活と傷病の状況から生じる心理的・社会的問題の予防や早期の対応を行うため、 社会福祉の専門的知識及び技術に基づき、これらの諸問題を予測し、患者やその家族からの相談に応じ、 次のような解決、調整に必要な援助を行う業務。
【具体的には】
●受診や入院、在宅医療にともなう問題の解決や心理的な援助。
●療養中の家事、育児、教育就労などの問題解決の援助。
●高齢者などの在宅療養環境整備に向けた援助。
●傷病や療養にともなう家族関係の問題解決に向けた援助。
●患者同士や職員との人間関係の調整援助。
●学校、職場、近隣地域での人間関係の調整援助。
●難病など受容が困難な場合に、その問題の解決援助。
●患者の死による家族の精神的苦痛の軽減・克服、生活の再設計援助。
●療養中の患者や家族の心理的・社会的問題の解決援助のために患者会、家族会などの育成、支援。

 

②退院援助
生活と傷病や障害の状況から退院・退所にともなって生ずる心理的・社会的問題の予防や早期の対応を行うため、社会福祉の専門的知識及び技術に基づき、これらの諸問題を予測し、退院・退所後の選択肢を説明し、相談に応じ、次のような解決、調整に必要な援助を行う。
【具体的には】
●地域における在宅ケアサービスについての情報整備。
●介護保険制度を利用する際の説明や利用にあたっての援助。
●退院・退所後のニーズ把握および利用可能な社会資源の選定援助。
●転院、在宅医療などにともなう患者、家族の不安等の問題の解決援助。
●住居の確保、傷病や障害に適した改修など住居問題の解決援助。

 

③社会復帰援助
退院・退所後において、社会復帰が円滑に進むように、社会福祉の専門的知識及び技術に基づき、次のような援助を行う。
【具体的には】
●患者の職場や学校と調整を行い、復職、復学に向けた援助を行う。
●社会復帰が円滑に進むよう、心理的・社会的問題の解決に向けた援助を行う。

 

④受診・受療援助
入院、入院外を問わず、患者やその家族等に対する次のような受診、受療の援助を行う。
【具体的には】
●生活と傷病の状況に対応した医療の受け方および情報提供などを行う。
●患者が医師等の医療上の指導を受け入れない場合、その理由となっている問題の把握と解決に向けた援助。
●診断、治療内容に関する不安がある場合にその理解に向けた援助。
●心理的・社会的原因で症状の出る患者についての情報収取および医師への情報提供。
●入退院・入退所の判定に関する情報提供。
●診療の参考となる情報を収集し、医師、看護師などへの情報提供。
●通所リハビリテーションや集団療法のためのアルコール依存症者の会等の育成、支援。

 

⑤経済的問題の解決、調整援助
入院、入院外を問わず、患者が医療費、生活費に困っている場合に、社会福祉、社会保険等の機関と連携を図りながら、福祉、保険等関係諸制度を活用できるように援助する。

 

⑥地域活動
患者のニーズに合致したサービスが地域において提供されるよう、関係機関、関係職種等と連携し、地域の保健医療福祉システムづくりに次のような参画を行う。
【具体的には】
●他の保健医療機関、保健所、市町村などと連携しての患者会、家族会などの支援。
●他の保健医療機関、福祉関係機関などと連携しての地域のボランティアの育成支援。
●患者の在宅ケア支援や地域ケアシステムづくりなど、地域におけるネットワークづくりへの参加。
●高齢者、精神障害者などの在宅ケアや社会復帰について地域理解促進と普及に向けた活動。

 

「厚労省『医療ソーシャルワーカー業務指針』より」

 

このように、医療ソーシャルワーカーは社会福祉の立場から入院前から入院中、退院後の社会復帰まで、患者さんやそのご家族に寄り添い、サポートしていくとともに、地域の保健医療福祉システムづくりなどにも深く関わっていくなど、近年の医療分野の中でなくてはならない役割を担っています。
今後、高齢化社会がより一層加速し、療養や障害によって医療機関を利用し、支援を必要とする人が急増していく中で、医療ソーシャルワーカーに対する期待は、以前にも増して大きなものとなっていくことでしょう。

 

医療ソーシャルワーカーが働く場所

 

では、医療ソーシャルワーカーが働くのはどのような場所なのでしょうか。

まず代表的な職場として筆頭に挙げられるのが「病院」でしょう。
大規模な総合病院には「福祉相談室」が設けられており、そこで社会福祉士が患者さんやそのご家族と向き合い、さまざまな支援を行っていきます。

この他、地域のケアミックス病院(急性期医療と慢性期医療の両方に対応した病院)や 保健所・保健センター、クリニック、介護老人保健施設、在宅介護支援センターなどでも医療ソーシャルワーカーが求められています。

 

【医療ソーシャルワーカーが活躍する主な場所】
●総合病院
●ケアミックス病院
●クリニック
●保健所
●保険センター
●介護老人保健施設
●在宅介護支援センター
など。

 

医療ソーシャルワーカーになるには?

 

そんな医療ソーシャルワーカーになるには、「社会福祉士」または「精神保健福祉士」いずれかの資格が必要です。
先にも述べたように、これらの資格を有していなくとも医療ソーシャルワーカーと同じ業務に携わることは可能ですが、医療ソーシャルワーカーを募集する医療機関の多くが「社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有すること」を応募条件としている場合が多く、これらの資格の有無で就職や転職における選択肢の広さやハードルの高さは大きく変わってきます。

 

逆に言えば、それだけ専門性が強く、同時に重要な責任を担う「限られた人しか携わることのできない仕事」だということが言えます。

 

よって、もし医療ソーシャルワーカーを目指したいのであれば、まずは「社会福祉士」などの資格を取得することがスタートとなります。
社会福祉士の資格を取得することは、医療ソーシャルワーカーのような社会的使命の強い仕事への就労を可能にしてくれることはもちろん、転職を考える上でも幅広い福祉分野へのキャリアチェンジを可能にしてくれるなど、人生の大きな武器を得ることにもつながります。

 

 

医療ソーシャルワーカーのやりがい

 

では、そんな医療ソーシャルワーカーの仕事のやりがいや魅力はどこにあるのでしょうか。
保健医療機関という人の健康に関わる施設が主な職場となるだけに、その仕事内容は決して楽であったり簡単なものではありません。むしろ大きな責任や高度な知識が求められるプロフェッショナル性の強い仕事ということで、大変な思いや苦労を重ねることもあることでしょう。
ここでは、そんな医療ソーシャルワーカーという仕事のやりがいをまとめてみることにしましょう。

 

●社会に貢献できるよろこび
病院など保健医療の場において患者さんやそのご家族のが抱える心理的な悩みや社会的問題の解決に向けて支援を行うとともに、社会復帰の促進を図っていく医療ソーシャルワーカーだけに、自分が対応した患者さんが適切な福祉サポートを受け、社会復帰を果たせたときは非常に大きなよろこびを感じるとともに、「社会貢献を果たせた」というやりがいを感じられることでしょう。
また、医療ソーシャルワーカーの業務の中には、地域の保健医療福祉システムづくりに関わる「地域活動」も含まれているため、地域に密着し、貢献できるよろこびなども味わえることでしょう。

 

●人の力になることのできるよろこび
医療ソーシャルワーカーは、入院中の患者さんやご家族が感じる心理的な悩みや社会的・経済的な課題の解決に向けた支援を行っていく仕事です。そしてその悩みに寄り添い、問題を浮き彫りにした上で多職種と連携しながら、最適な支援を行っていくことで患者さんやそのご家族から「おかげで安心して療養に専念することができたよ」「ありがとう。無事に退院して職場に復帰することができました」といった感謝の言葉をいただくことができます。そんなときにも医療ソーシャルワーカーという仕事のやりがいを感じることができることでしょう。

 

●幅広い役割の人々と接するよろこび
「幅広い役割のプロフェッショナルたちと連携することができる」というのもやりがいの一つです。退院援助の場合であれば主治医や看護師、復学や職場復帰に向けた退院援助であれば学校の先生や職場の上司、地域活動の場合であれば地域の保健医療や福祉関連機関や患者会、家族会、その他ボランティアの人々など幅広い役割の人々と接し、協力し合いながら患者さんやその家族を支えたり、地域の保健医療福祉システムづくりに関わっていけることは、なかなか他の仕事では味わえないやりがいだと言えるでしょう。

 

●幅広い専門知識を学ぶことができる
医療福祉や社会保険をはじめとした社会福祉制度の知識はもちろん、医療知識、福祉・介護の知識、相談援助職の知識はじめ、さまざまな知識を使う機会があることも医療ソーシャルワーカーという仕事の魅力の一つです。そもそも社会福祉士の受験資格を得るためにたくさんの勉強を重ねる必要があることはもちろん、福祉系の専門学校や大学を卒業したり、実務経験を重ねる必要がある点で知識を蓄える機会が豊富にあり、医療ソーシャルワーカーとしてデビューした時点でかなりの知識レベルに達していることは間違いありません。よって、向上心や向学心の強い方にとっては、医療ソーシャルワーカーという仕事に携わること自体が大きなやりがいとなることでしょう。

 

 

社会福祉士の資格があれば医療分野でも活躍できる

 

社会福祉士資格を有して働く仕事の中では、比較的認知度の低い医療ソーシャルワーカーですが、実は病院をはじめとした医療福祉分野でも確かなニーズがあり、社会福祉士ならではの高度な専門知識にもとづく重要な役割が期待されていることお分かりいただけたかと思います。

 

医療ソーシャルワーカーという人々の健康に直接的に関わる仕事だけに、そこから得られるやりがいは非常に大きなものがあり、他の福祉分野と同様、社会や人々への貢献を感じながらキャリアを重ねていけることは大きなよろこびとなることでしょう。

 

社会福祉士の国家資格取得を目指すにあたり、こうした選択肢があることも頭に入れておくと、描けるキャリアプランもより大きく広がっていくことでしょう。

 

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